日本語 English
開講年度/ Academic YearAcademic Year |
20242024 |
科目設置学部/ CollegeCollege |
理学部/College of ScienceCollege of Science |
科目コード等/ Course CodeCourse Code |
CB121/CB121CB121 |
テーマ・サブタイトル等/ Theme・SubtitleTheme・Subtitle |
ゲージ・重力対応と非平衡系の物理学 |
授業形態/ Class FormatClass Format |
対面(全回対面)/Face to face (all classes are face-to-face)Face to face (all classes are face-to-face) |
授業形態(補足事項)/ Class Format (Supplementary Items)Class Format (Supplementary Items) |
対面 |
授業形式/ Class StyleCampus |
講義/LectureLecture |
校地/ CampusCampus |
池袋/IkebukuroIkebukuro |
学期/ SemesterSemester |
秋学期他/Fall OthersFall Others |
曜日時限・教室/ DayPeriod・RoomDayPeriod・Room |
ログインして教室を表示する(Log in to view the classrooms.) |
単位/ CreditsCredits |
22 |
科目ナンバリング/ Course NumberCourse Number |
PHY3210 |
使用言語/ LanguageLanguage |
日本語/JapaneseJapanese |
履修登録方法/ Class Registration MethodClass Registration Method |
科目コード登録/Course Code RegistrationCourse Code Registration |
配当年次/ Assigned YearAssigned Year |
配当年次は開講学部のR Guideに掲載している科目表で確認してください。配当年次は開講学部のR Guideに掲載している科目表で確認してください。 |
先修規定/ Prerequisite RegulationsPrerequisite Regulations |
|
他学部履修可否/ Acceptance of Other CollegesAcceptance of Other Colleges |
履修登録システムの『他学部・他研究科履修不許可科目一覧』で確認してください。 |
履修中止可否/ Course CancellationCourse Cancellation |
×(履修中止不可/ Not eligible for cancellation) |
オンライン授業60単位制限対象科目/ Online Classes Subject to 60-Credit Upper LimitOnline Classes Subject to 60-Credit Upper Limit |
|
学位授与方針との関連/ Relationship with Degree PolicyRelationship with Degree Policy |
各授業科目は、学部・研究科の定める学位授与方針(DP)や教育課程編成の方針(CP)に基づき、カリキュラム上に配置されています。詳細はカリキュラム・マップで確認することができます。 |
備考/ NotesNotes |
集中講義:日程はR Guide「集中講義日程」を確認すること LA206統計物理学、RA206統計物理学と合同授業 |
Students will learn the basics of the gauge/gravity correspondence, including descriptions of phase transitions, and calculation of the nonlinear transport coefficients in the gravity dual. Students will also grasp the latest research on the application of the gauge/gravity correspondence to non-equilibrium physics.
Using blackboard and projector, the fundamentals of the gauge/gravity correspondence and its application to the physics of nonequilibrium systems will be explained. After an overview of the basics of general relativity and superstring theory, students will learn the basic ideas of gauge/gravity correspondence. The fundamentals of non-equilibrium statistical physics will also be covered. Then, through the gauge/gravity correspondence, students will learn how to calculate transport coefficients such as friction coefficient and electric conductivity using higher-dimensional black hole spacetime. The latest research on non-equilibrium phase transitions applying these calculation methods will also be reviewed.
1 | 導入:ゲージ・重力対応とは何か ゲージ・重力対応の内容について概観する。この対応関係の理解にはどのような知識が必要とされ、この対応関係によりどのような計算がなされているのかについて整理する。 |
2 | 非平衡統計物理学の基礎 非平衡系の定義について考える。ランジュバン方程式に従う系の基本や非平衡定常状態の概念について解説し、いかなる点において従来の研究方法を超えた非平衡系の解析がゲージ・重力対応により可能となり得るのか整理する。 |
3 | 超弦理論の基礎 ゲージ・重力対応の基礎となる調弦理論の基礎、D-braneとは何か、についてまとめる。 |
4 | ブラックホールと熱力学 ブラックホールのもつ物理的性質と熱力学の法則の関係についてまとめる。 |
5 | ゲージ・重力対応の「導出」 スカラー場の理論によるアナロジーを用いてゲージ・重力対応の考え方について解説する。この考え方に基づいて、ゲージ・重力対応の基本的な辞書(GKP-Witten処方)について説明する。 |
6 | ランジュバン系(1) 熱浴中を等速で運動するテスト粒子の受ける非線形な摩擦力の重力理論による計算について解説する。 |
7 | ランジュバン系(2) ランジュバン系の重力理論による記述における久保公式について解説する。 |
8 | 電気伝導系(1) 熱浴と相互作用する荷電粒子の多体系における非線形電気伝導度の重力理論による計算について解説する。 |
9 | 電気伝導系(2) 重力理論による負性微分電気伝導の記述と非平衡相転移について解説する。 |
10 | 相転移と臨界現象 相転移に関するランダウ理論の基礎、相転移と臨界現象についてまとめる。 |
11 | ゲージ・重力対応と臨界現象 ゲージ・重力対応における平衡系の相転移の記述と臨界指数の計算について解説する。 |
12 | 非平衡相転移とゲージ・重力対応 ゲージ・重力対応による非平衡相転移の記述と、そこで見出される新奇な現象について解説する。 |
13 | 揺らぎと応答の不等式とゲージ・重力対応 非平衡統計物理学の分野で提唱される「揺らぎと応答の不等式」とゲージ・重力対応の関係について解説する。 |
14 | 今後の展望 ゲージ・重力対応とその応用に関する研究について、将来展望を述べる。 |
板書 /Writing on the Board
スライド(パワーポイント等)の使用 /Slides (PowerPoint, etc.)
上記以外の視聴覚教材の使用 /Audiovisual Materials Other than Those Listed Above
個人発表 /Individual Presentations
グループ発表 /Group Presentations
ディスカッション・ディベート /Discussion/Debate
実技・実習・実験 /Practicum/Experiments/Practical Training
学内の教室外施設の利用 /Use of On-Campus Facilities Outside the Classroom
校外実習・フィールドワーク /Field Work
上記いずれも用いない予定 /None of the above
量子力学の基礎、解析力学、統計物理学など学部で習う物理の基礎的な内容をしっかり復習しておくこと。また相対性理論の基礎、場の量子論の基礎についても習得しておくことが望ましい。
種類 (Kind) | 割合 (%) | 基準 (Criteria) |
---|---|---|
平常点 (In-class Points) | 100 |
講義内で行う口頭試問(30%) 講義内で出題するレポート(30%) 最終レポート(Final Report)(40%) |
備考 (Notes) | ||
なし/None
No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
---|---|---|---|---|---|
1 | 夏梅誠 | 『超弦理論の応用: 物理諸分野でのAdS/CFT双対性の使い方 』 | サイエンス社 | 2012 | |
その他 (Others) | |||||
参考となる原著論文について講義内で適宜紹介する。 |
解析力学の内容、特に変分原理、オイラーラグランジュ方程式について理解していること。また統計物理学の基礎、量子力学の基礎、特殊相対性理論の基礎について理解していること。
特に準備が必要な機器はない。
ゲージ・重力対応の基礎を習得し、ゲージ・重力対応を用いた相転移の記述、線形応答を超えた領域における輸送係数の計算に関する基礎を習得する。またゲージ・重力対応の非平衡物理学への応用についての最新の研究を概観する。
Students will learn the basics of the gauge/gravity correspondence, including descriptions of phase transitions, and calculation of the nonlinear transport coefficients in the gravity dual. Students will also grasp the latest research on the application of the gauge/gravity correspondence to non-equilibrium physics.
黒板およびプロジェクタを用いてゲージ・重力対応の基礎およびその非平衡系の物理学への応用に関して解説する。一般相対性理論、超弦理論の基礎を概観したあと、ゲージ・重力対応の基本的な考え方を学ぶ。また非平衡統計物理学の基礎についても学ぶ。その後、ゲージ・重力対応を通して、高次元のブラックホール時空を用いた摩擦係数や電気伝導度などの輸送係数の計算方法を学ぶ。また、これらの計算方法を応用した非平衡相転移の最新の研究についても概観する。
Using blackboard and projector, the fundamentals of the gauge/gravity correspondence and its application to the physics of nonequilibrium systems will be explained. After an overview of the basics of general relativity and superstring theory, students will learn the basic ideas of gauge/gravity correspondence. The fundamentals of non-equilibrium statistical physics will also be covered. Then, through the gauge/gravity correspondence, students will learn how to calculate transport coefficients such as friction coefficient and electric conductivity using higher-dimensional black hole spacetime. The latest research on non-equilibrium phase transitions applying these calculation methods will also be reviewed.
1 | 導入:ゲージ・重力対応とは何か ゲージ・重力対応の内容について概観する。この対応関係の理解にはどのような知識が必要とされ、この対応関係によりどのような計算がなされているのかについて整理する。 |
2 | 非平衡統計物理学の基礎 非平衡系の定義について考える。ランジュバン方程式に従う系の基本や非平衡定常状態の概念について解説し、いかなる点において従来の研究方法を超えた非平衡系の解析がゲージ・重力対応により可能となり得るのか整理する。 |
3 | 超弦理論の基礎 ゲージ・重力対応の基礎となる調弦理論の基礎、D-braneとは何か、についてまとめる。 |
4 | ブラックホールと熱力学 ブラックホールのもつ物理的性質と熱力学の法則の関係についてまとめる。 |
5 | ゲージ・重力対応の「導出」 スカラー場の理論によるアナロジーを用いてゲージ・重力対応の考え方について解説する。この考え方に基づいて、ゲージ・重力対応の基本的な辞書(GKP-Witten処方)について説明する。 |
6 | ランジュバン系(1) 熱浴中を等速で運動するテスト粒子の受ける非線形な摩擦力の重力理論による計算について解説する。 |
7 | ランジュバン系(2) ランジュバン系の重力理論による記述における久保公式について解説する。 |
8 | 電気伝導系(1) 熱浴と相互作用する荷電粒子の多体系における非線形電気伝導度の重力理論による計算について解説する。 |
9 | 電気伝導系(2) 重力理論による負性微分電気伝導の記述と非平衡相転移について解説する。 |
10 | 相転移と臨界現象 相転移に関するランダウ理論の基礎、相転移と臨界現象についてまとめる。 |
11 | ゲージ・重力対応と臨界現象 ゲージ・重力対応における平衡系の相転移の記述と臨界指数の計算について解説する。 |
12 | 非平衡相転移とゲージ・重力対応 ゲージ・重力対応による非平衡相転移の記述と、そこで見出される新奇な現象について解説する。 |
13 | 揺らぎと応答の不等式とゲージ・重力対応 非平衡統計物理学の分野で提唱される「揺らぎと応答の不等式」とゲージ・重力対応の関係について解説する。 |
14 | 今後の展望 ゲージ・重力対応とその応用に関する研究について、将来展望を述べる。 |
板書 /Writing on the Board
スライド(パワーポイント等)の使用 /Slides (PowerPoint, etc.)
上記以外の視聴覚教材の使用 /Audiovisual Materials Other than Those Listed Above
個人発表 /Individual Presentations
グループ発表 /Group Presentations
ディスカッション・ディベート /Discussion/Debate
実技・実習・実験 /Practicum/Experiments/Practical Training
学内の教室外施設の利用 /Use of On-Campus Facilities Outside the Classroom
校外実習・フィールドワーク /Field Work
上記いずれも用いない予定 /None of the above
量子力学の基礎、解析力学、統計物理学など学部で習う物理の基礎的な内容をしっかり復習しておくこと。また相対性理論の基礎、場の量子論の基礎についても習得しておくことが望ましい。
種類 (Kind) | 割合 (%) | 基準 (Criteria) |
---|---|---|
平常点 (In-class Points) | 100 |
講義内で行う口頭試問(30%) 講義内で出題するレポート(30%) 最終レポート(Final Report)(40%) |
備考 (Notes) | ||
なし/None
No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
---|---|---|---|---|---|
1 | 夏梅誠 | 『超弦理論の応用: 物理諸分野でのAdS/CFT双対性の使い方 』 | サイエンス社 | 2012 | |
その他 (Others) | |||||
参考となる原著論文について講義内で適宜紹介する。 |
解析力学の内容、特に変分原理、オイラーラグランジュ方程式について理解していること。また統計物理学の基礎、量子力学の基礎、特殊相対性理論の基礎について理解していること。
特に準備が必要な機器はない。