日本語 English
| 開講年度/ Academic YearAcademic Year |
20262026 |
| 科目設置学部/ CollegeCollege |
全学共通科目・全学共通カリキュラム(総合系)/University-wide Liberal Arts Courses (Comprehensive Courses)University-wide Liberal Arts Courses (Comprehensive Courses) |
| 科目コード等/ Course CodeCourse Code |
FA110/FA110FA110 |
| テーマ・サブタイトル等/ Theme・SubtitleTheme・Subtitle |
現代のコミュニケーションから哲学を学ぶ |
| 授業形態/ Class FormatClass Format |
対面(全回対面)/Face to face (all classes are face-to-face)Face to face (all classes are face-to-face) |
| 授業形態(補足事項)/ Class Format (Supplementary Items)Class Format (Supplementary Items) |
|
| 授業形式/ Class StyleCampus |
講義/LectureLecture |
| 校地/ CampusCampus |
池袋/IkebukuroIkebukuro |
| 学期/ SemesterSemester |
秋学期/Fall semesterFall semester |
| 曜日時限・教室/ DayPeriod・RoomDayPeriod・Room |
金4/Fri.4 Fri.4 ログインして教室を表示する(Log in to view the classrooms.) |
| 単位/ CreditsCredits |
22 |
| 科目ナンバリング/ Course NumberCourse Number |
CMP2100 |
| 使用言語/ LanguageLanguage |
日本語/JapaneseJapanese |
| 履修登録方法/ Class Registration MethodClass Registration Method |
抽選他/Exceptional Lottery RegistrationExceptional Lottery Registration |
| 配当年次/ Assigned YearAssigned Year |
配当年次は開講学部のR Guideに掲載している科目表で確認してください。配当年次は開講学部のR Guideに掲載している科目表で確認してください。 |
| 先修規定/ Prerequisite RegulationsPrerequisite Regulations |
|
| 他学部履修可否/ Acceptance of Other CollegesAcceptance of Other Colleges |
|
| 履修中止可否/ Course CancellationCourse Cancellation |
〇(履修中止可/ Eligible for cancellation) |
| オンライン授業60単位制限対象科目/ Online Classes Subject to 60-Credit Upper LimitOnline Classes Subject to 60-Credit Upper Limit |
|
| 学位授与方針との関連/ Relationship with Degree PolicyRelationship with Degree Policy |
各授業科目は、学部・研究科の定める学位授与方針(DP)や教育課程編成の方針(CP)に基づき、カリキュラム上に配置されています。詳細はカリキュラム・マップで確認することができます。 https://www.rikkyo.ac.jp/about/disclosure/educational_policy/qo9edr0000006ur7-att/zengakukyoutu_sougou.pdf |
| 備考/ NotesNotes |
Students who complete this course will be able to:
1. Explain the gap between idealized models and actual language use
Describe what idealized models of language assume, and in what respects they may diverge from real-world linguistic practices, using concrete examples.
2. Articulate what is “bad” about “bad language” as a set of issues
Identify and organize the problems posed by particular utterances by separating relevant dimensions such as intention, meaning, and context; relations to truth (e.g., lying, misleading, bullshit); non-cognitive effects; the structure of inference; and power relations.
3. Analyze cases using key concepts and distinctions in the philosophy of language
Apply tools such as Gricean conversational implicature, context-sensitive expressions, distinctions among locutionary/illocutionary/perlocutionary acts, and leading theories of slurs (e.g., descriptive content, presuppositional, expressivist, and prohibition-based accounts) to everyday and social-media examples.
4. Develop and present reasoned arguments (in writing and discussion)
Summarize the main claims of the assigned text, articulate one’s own position with supporting reasons, and produce short written work that includes responses to objections (counterexamples, limitations, or qualified reservations).
This course offers a systematic reading of Bad Language: An Introduction to the Philosophy of Bad Words and examines how “bad language” in everyday life and society can be understood and assessed using core concepts and analytic frameworks from the philosophy of language.
In the first half of the course, we review the highly idealized models of language that have traditionally shaped work in the philosophy of language. By focusing on phenomena that appear as departures from such models—deviant intentions, meanings, and contexts; lying and misleading; bullshit; and slurs—students will learn to identify what is “bad” about particular linguistic practices and to articulate the relevant issues with conceptual clarity.
In the second half, we turn to non-cognitive effects of words (lexical effects), defective patterns of inference prompted by generics, and non-ideal speech acts such as those found on social media, where speakers and hearers are dispersed. We also examine linguistic oppression and silencing, as well as consent as a speech act. While attending to the social consequences and institutional backgrounds of these phenomena, we analyze concrete cases by drawing on tools such as speech-act theory, context-sensitivity, conversational implicature, and distinctions among locutionary, illocutionary, and perlocutionary acts.
Finally, we reassess the relation between ideal and non-ideal theory, asking what idealization affords and what risks it may carry. Each session combines close reading of the assigned chapter (with an overview of key points) with analysis of familiar examples and short, guided discussions.
| 1 | (前半) ガイダンス:授業の構成・授業内ルールについての説明 (後半) バッド・ランゲージ 1:理想化されたコミュニケーション 現実のbadな言葉に立ち向かうために、まず言語哲学者たちが考えてきた、高度に理想化された言語モデルについて学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』1章を読むこと。 復習:あなたの日常をヒントに、理想化された言語モデルが乖離していると思われる言語使用の場面を考え、それがいかに乖離しているかを考察してみましょう。 |
| 2 | バッド・ランゲージ 2:言語を非理想的に使う三つの方法 理想化された言語モデルから見ると逸脱しているように見える三つのパターンとして、①逸脱した意図、②逸脱した意味、そして③逸脱した文脈を検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』2章を読むこと。 復習:グライスの「会話的推意」を使って、身の回りの会話を分析してみましょう。 |
| 3 | バッド・ランゲージ 3:真理をぞんざいに扱う 真理を述べない形のコミュニケーションとして、①偽なことを述べる、②嘘をついたりミスリードしたりする、という場合を吟味します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』3章を読むこと。 復習:私たちの日常的なやりとりにおいて、真理という概念はどのような役割を果たすか、考えてみましょう。 |
| 4 | バッド・ランゲージ 4:でたらめと根深いでたらめ 真理をぞんざいに扱う方法であり、かつ、嘘をつくこととは異なる言語使用として、「でたらめ(bullshit)」と「根深いでたらめ(deep bullshit)」とを学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』4章を読むこと。 復習:嘘、ミスリード、でたらめ、フェイクニュースを、それぞれどう区別できるか検討してみましょう。 |
| 5 | バッド・ランゲージ 5:概念工学 現代社会をめぐる議論にしばしば登場する「人」「結婚」「拷問」といった言葉は、さまざまな意味で用いられますが、どの意味で用いるべきかについて意見の一致を見ません。こうした事態に対処するための概念工学を学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』5章を読むこと。 復習:意味を改良するという概念工学の試みは、うまく機能するでしょうか。そう言えそうな(あるいは言えなさそうな)理由、また、うまく機能させるために必要な課題とを考えてみましょう。 |
| 6 | バッド・ランゲージ 6:蔑称 蔑称という言語活動を解明するため、①記述内容説、②前提説、③表出説、④禁止説について学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』6章を読むこと。 復習:四つの説を用いて、蔑称以外にも、罵倒表現や婉曲表現、犬笛に関して説明可能かどうか検討してみましょう。 |
| 7 | 小テスト 予習:第1回から第6回までの授業資料・ノートを見返すこと。 復習:模範解答と自身の解答とを比較し、自身の記述をアップデートする。 |
| 8 | バッド・ランゲージ 7:語彙効果 感情、連想、心的イメージ、および記憶など、言葉のもつ非認知的効果について、隠喩、ブランド名、蔑称、隠語(および犬笛)の実例を通じて考えます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』7章を読むこと。 復習:語彙効果はなぜ言語哲学ではほとんど無視されてきたのか、1章「理想化されたコミュニケーション」を参照しつつ考察してみましょう。 |
| 9 | バッド・ランゲージ 8:総称文と欠陥のある推論 「移民はアメリカ社会でよい待遇を受けている」といった総称文は、私たちの認知的な悪さに結びつきやすく、ステレオタイプに基づいた推論を引き起こすと考えられています。そもそも総称文がどんなことを・どのように意味しうるかを分析し、いかにして有害な社会的影響をもたらすかを吟味します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』8章を読むこと。 復習:総称文の曖昧性や特定不十分性について、身近な具体例を挙げて考えてみましょう。 |
| 10 | バッド・ランゲージ 9:理想的でない言語行為 対面での一対一のコミュニケーションとは異なる言語行為について検討します。「今」「あなた」「俺たち」といった文脈鋭敏的表現に着目し、聞き手や話し手が分散している場合のコミュニケーションを分析します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』9章を読むこと。 復習:SNSで「いいね」や「リポスト」をするとき私たちはいったい何をしているのか、考察してみましょう。 |
| 11 | バッド・ランゲージ 10:言語による抑圧と言語による声の封殺 言葉を使って他者を抑圧するとはどのようなことか、そしてそれに抵抗するためにはどうすれば良いのかを考えます。ポルノグラフィーによる言語的抑圧や声の封殺について検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』10章を読むこと。 復習:発語行為・発語内行為・発語媒介行為の区別を使って、普段の振る舞いを分析してみましょう。 |
| 12 | バッド・ランゲージ 11:同意という言語行為 家の訪問、医療処置、同意書、セックスといった私たちの生活において生じる「同意」をめぐる様々な行為について考えます。とくに、言語哲学において論争となってきた①暗黙の同意の本性、②同意の内容の特徴づけ、③欺きによって同意は損なわれうるか、について検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』11章を読むこと。 復習:言葉が言語外の帰結をもつケースについて、どんな場合があるか、考えてみましょう。 |
| 13 | バッド・ランゲージ 12:言語の理想理論と非理想理論について考える これまでの議論を踏まえ、理想化された言語モデルをもつことの意味を問い直します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』12章を読むこと。 復習:ある現象を理解し説明したいという動機に基づく「ミニマリストの理想化」はどうリスキーなのか、考察しましょう。 |
| 14 | 最終テスト 予習:第8回から第13回までの授業資料・ノートを見返す。 復習:模範解答と自身の解答とを比較し、自身の記述をアップデートする。 |
板書 /Writing on the Board
スライド(パワーポイント等)の使用 /Slides (PowerPoint, etc.)
上記以外の視聴覚教材の使用 /Audiovisual Materials Other than Those Listed Above
個人発表 /Individual Presentations
グループ発表 /Group Presentations
ディスカッション・ディベート /Discussion/Debate
実技・実習・実験 /Practicum/Experiments/Practical Training
学内の教室外施設の利用 /Use of On-Campus Facilities Outside the Classroom
校外実習・フィールドワーク /Field Work
上記いずれも用いない予定 /None of the above
各回の授業計画を参照のこと。
| 種類 (Kind) | 割合 (%) | 基準 (Criteria) |
|---|---|---|
| 平常点 (In-class Points) | 100 |
小テスト(30%) コメントシート(30%) 最終テスト(Final Test)(40%) |
| 備考 (Notes) | ||
| No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | カペレン&ディーバー | 『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学』 | 勁草書房 | 2022 | 9784326103102 |
| No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ジェニファー・M・ソール | 『言葉はいかに人を欺くか:嘘、ミスリード、犬笛を読み解く』 | 慶應義塾大学出版会 | 2021 | 9784766427455 |
| 2 | 藤川直也 | 『誤解を招いたとしたら申し訳ない 政治の言葉/言葉の政治』 | 講談社 | 2025 | 9784065386439 |
| 3 | 和泉悠 | 『悪い言語哲学入門』 | 筑摩書房 | 2022 | 9784480074553 |
| 4 | 木下 頌子ほか編訳 | 『分析フェミニズム基本論文集』 | 慶應義塾大学出版会 | 2022 | 9784766428551 |
| 5 | 三木那由多 | 『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』 | 光文社 | 2022 | 9784334046224 |
緻密な議論を理解し、自身で再構成する能力を必要とする。あらかじめ言語哲学の専門的知識を持っている必要はない。
PCやタブレットなど、文章作成に適したデバイス
・この科目は「悪い」言葉を取り扱う性質のものであるため、多くの回において、差別的・攻撃的な言葉が出てきます。学修する場の安全性を確保するため、どのタイミングで、どのような言葉が出てくるかについて、できる限り注意喚起を行います。
・教員は、授業内でのアウティングおよびミスジェンダリング防止に努めます。また、履修者にも同様の配慮を求めます。
・私語等で授業妨害を行った者には、退出を命ずることがあります。また、授業とは全く関係のない行為(ゲームをやる、アニメを鑑賞する、化粧をするなど)によって教室内の学修意欲を低下させた場合にも、同様の措置をとります。
多彩な学び科目
受講者は授業を通じて、次の能力を身につける。
1、理想化モデルと現実の言語使用のズレを説明できる
理想化された言語モデルが何を仮定し、どの点で現実から乖離しうるかを、具体例とともに述べることができる。
2、「badさ」を論点として分節化できる
ある発話の問題を、意図・意味・文脈、真理との関係(嘘/ミスリード/でたらめ等)、非認知的効果、推論の構造、権力関係などに分けて整理できる。
3、主要概念・区別を用いて事例分析ができる
グライスの会話的推意、文脈鋭敏的表現、発語行為/発語内行為/発語媒介行為、蔑称理論(記述内容説・前提説・表出説・禁止説)等を用い、日常やSNSの言語現象を分析できる。
4、理由を伴う議論ができる(書く/話す)
テキストの主張を要約したうえで、自分の立場を理由とともに提示し、反対意見への応答(反例・限界・留保)を含めて短い文章としてまとめられる。
Students who complete this course will be able to:
1. Explain the gap between idealized models and actual language use
Describe what idealized models of language assume, and in what respects they may diverge from real-world linguistic practices, using concrete examples.
2. Articulate what is “bad” about “bad language” as a set of issues
Identify and organize the problems posed by particular utterances by separating relevant dimensions such as intention, meaning, and context; relations to truth (e.g., lying, misleading, bullshit); non-cognitive effects; the structure of inference; and power relations.
3. Analyze cases using key concepts and distinctions in the philosophy of language
Apply tools such as Gricean conversational implicature, context-sensitive expressions, distinctions among locutionary/illocutionary/perlocutionary acts, and leading theories of slurs (e.g., descriptive content, presuppositional, expressivist, and prohibition-based accounts) to everyday and social-media examples.
4. Develop and present reasoned arguments (in writing and discussion)
Summarize the main claims of the assigned text, articulate one’s own position with supporting reasons, and produce short written work that includes responses to objections (counterexamples, limitations, or qualified reservations).
本授業は、『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』を通読しながら、日常や社会で生じる「悪い言葉(bad language)」を、言語哲学の基本概念と分析枠組みを用いて理解・評価する。
前半では、言語哲学が伝統的に前提してきた理想化された言語モデルを確認し、そのモデルからの逸脱として現れる現象(逸脱した意図・意味・文脈、嘘やミスリード、でたらめ、蔑称)を扱うことで、何がどのように「bad」なのかを論点として整理する力を養う。
後半では、言葉がもつ非認知的効果(語彙効果)、総称文が引き起こす推論の欠陥、SNS等における話者・聞き手の分散といった理想的でない言語行為、言語による抑圧や声の封殺、そして同意という言語行為を取り上げる。言葉がもたらす社会的帰結や制度的背景を踏まえつつ、言語行為・文脈鋭敏性・推意・発語行為の区別などを使って具体例を分析する。
最終的に、理想理論/非理想理論の関係を再検討し、理想化が何を与え、どのようなリスクを伴うのかを問い直す。各回、指定章の読解にもとづく要点整理と、身近な事例の分析・短い討議を行う。
This course offers a systematic reading of Bad Language: An Introduction to the Philosophy of Bad Words and examines how “bad language” in everyday life and society can be understood and assessed using core concepts and analytic frameworks from the philosophy of language.
In the first half of the course, we review the highly idealized models of language that have traditionally shaped work in the philosophy of language. By focusing on phenomena that appear as departures from such models—deviant intentions, meanings, and contexts; lying and misleading; bullshit; and slurs—students will learn to identify what is “bad” about particular linguistic practices and to articulate the relevant issues with conceptual clarity.
In the second half, we turn to non-cognitive effects of words (lexical effects), defective patterns of inference prompted by generics, and non-ideal speech acts such as those found on social media, where speakers and hearers are dispersed. We also examine linguistic oppression and silencing, as well as consent as a speech act. While attending to the social consequences and institutional backgrounds of these phenomena, we analyze concrete cases by drawing on tools such as speech-act theory, context-sensitivity, conversational implicature, and distinctions among locutionary, illocutionary, and perlocutionary acts.
Finally, we reassess the relation between ideal and non-ideal theory, asking what idealization affords and what risks it may carry. Each session combines close reading of the assigned chapter (with an overview of key points) with analysis of familiar examples and short, guided discussions.
| 1 | (前半) ガイダンス:授業の構成・授業内ルールについての説明 (後半) バッド・ランゲージ 1:理想化されたコミュニケーション 現実のbadな言葉に立ち向かうために、まず言語哲学者たちが考えてきた、高度に理想化された言語モデルについて学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』1章を読むこと。 復習:あなたの日常をヒントに、理想化された言語モデルが乖離していると思われる言語使用の場面を考え、それがいかに乖離しているかを考察してみましょう。 |
| 2 | バッド・ランゲージ 2:言語を非理想的に使う三つの方法 理想化された言語モデルから見ると逸脱しているように見える三つのパターンとして、①逸脱した意図、②逸脱した意味、そして③逸脱した文脈を検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』2章を読むこと。 復習:グライスの「会話的推意」を使って、身の回りの会話を分析してみましょう。 |
| 3 | バッド・ランゲージ 3:真理をぞんざいに扱う 真理を述べない形のコミュニケーションとして、①偽なことを述べる、②嘘をついたりミスリードしたりする、という場合を吟味します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』3章を読むこと。 復習:私たちの日常的なやりとりにおいて、真理という概念はどのような役割を果たすか、考えてみましょう。 |
| 4 | バッド・ランゲージ 4:でたらめと根深いでたらめ 真理をぞんざいに扱う方法であり、かつ、嘘をつくこととは異なる言語使用として、「でたらめ(bullshit)」と「根深いでたらめ(deep bullshit)」とを学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』4章を読むこと。 復習:嘘、ミスリード、でたらめ、フェイクニュースを、それぞれどう区別できるか検討してみましょう。 |
| 5 | バッド・ランゲージ 5:概念工学 現代社会をめぐる議論にしばしば登場する「人」「結婚」「拷問」といった言葉は、さまざまな意味で用いられますが、どの意味で用いるべきかについて意見の一致を見ません。こうした事態に対処するための概念工学を学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』5章を読むこと。 復習:意味を改良するという概念工学の試みは、うまく機能するでしょうか。そう言えそうな(あるいは言えなさそうな)理由、また、うまく機能させるために必要な課題とを考えてみましょう。 |
| 6 | バッド・ランゲージ 6:蔑称 蔑称という言語活動を解明するため、①記述内容説、②前提説、③表出説、④禁止説について学びます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』6章を読むこと。 復習:四つの説を用いて、蔑称以外にも、罵倒表現や婉曲表現、犬笛に関して説明可能かどうか検討してみましょう。 |
| 7 | 小テスト 予習:第1回から第6回までの授業資料・ノートを見返すこと。 復習:模範解答と自身の解答とを比較し、自身の記述をアップデートする。 |
| 8 | バッド・ランゲージ 7:語彙効果 感情、連想、心的イメージ、および記憶など、言葉のもつ非認知的効果について、隠喩、ブランド名、蔑称、隠語(および犬笛)の実例を通じて考えます。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』7章を読むこと。 復習:語彙効果はなぜ言語哲学ではほとんど無視されてきたのか、1章「理想化されたコミュニケーション」を参照しつつ考察してみましょう。 |
| 9 | バッド・ランゲージ 8:総称文と欠陥のある推論 「移民はアメリカ社会でよい待遇を受けている」といった総称文は、私たちの認知的な悪さに結びつきやすく、ステレオタイプに基づいた推論を引き起こすと考えられています。そもそも総称文がどんなことを・どのように意味しうるかを分析し、いかにして有害な社会的影響をもたらすかを吟味します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』8章を読むこと。 復習:総称文の曖昧性や特定不十分性について、身近な具体例を挙げて考えてみましょう。 |
| 10 | バッド・ランゲージ 9:理想的でない言語行為 対面での一対一のコミュニケーションとは異なる言語行為について検討します。「今」「あなた」「俺たち」といった文脈鋭敏的表現に着目し、聞き手や話し手が分散している場合のコミュニケーションを分析します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』9章を読むこと。 復習:SNSで「いいね」や「リポスト」をするとき私たちはいったい何をしているのか、考察してみましょう。 |
| 11 | バッド・ランゲージ 10:言語による抑圧と言語による声の封殺 言葉を使って他者を抑圧するとはどのようなことか、そしてそれに抵抗するためにはどうすれば良いのかを考えます。ポルノグラフィーによる言語的抑圧や声の封殺について検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』10章を読むこと。 復習:発語行為・発語内行為・発語媒介行為の区別を使って、普段の振る舞いを分析してみましょう。 |
| 12 | バッド・ランゲージ 11:同意という言語行為 家の訪問、医療処置、同意書、セックスといった私たちの生活において生じる「同意」をめぐる様々な行為について考えます。とくに、言語哲学において論争となってきた①暗黙の同意の本性、②同意の内容の特徴づけ、③欺きによって同意は損なわれうるか、について検討します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』11章を読むこと。 復習:言葉が言語外の帰結をもつケースについて、どんな場合があるか、考えてみましょう。 |
| 13 | バッド・ランゲージ 12:言語の理想理論と非理想理論について考える これまでの議論を踏まえ、理想化された言語モデルをもつことの意味を問い直します。 予習:『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学入門』12章を読むこと。 復習:ある現象を理解し説明したいという動機に基づく「ミニマリストの理想化」はどうリスキーなのか、考察しましょう。 |
| 14 | 最終テスト 予習:第8回から第13回までの授業資料・ノートを見返す。 復習:模範解答と自身の解答とを比較し、自身の記述をアップデートする。 |
板書 /Writing on the Board
スライド(パワーポイント等)の使用 /Slides (PowerPoint, etc.)
上記以外の視聴覚教材の使用 /Audiovisual Materials Other than Those Listed Above
個人発表 /Individual Presentations
グループ発表 /Group Presentations
ディスカッション・ディベート /Discussion/Debate
実技・実習・実験 /Practicum/Experiments/Practical Training
学内の教室外施設の利用 /Use of On-Campus Facilities Outside the Classroom
校外実習・フィールドワーク /Field Work
上記いずれも用いない予定 /None of the above
各回の授業計画を参照のこと。
| 種類 (Kind) | 割合 (%) | 基準 (Criteria) |
|---|---|---|
| 平常点 (In-class Points) | 100 |
小テスト(30%) コメントシート(30%) 最終テスト(Final Test)(40%) |
| 備考 (Notes) | ||
| No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | カペレン&ディーバー | 『バッド・ランゲージ:悪い言葉の哲学』 | 勁草書房 | 2022 | 9784326103102 |
| No | 著者名 (Author/Editor) | 書籍名 (Title) | 出版社 (Publisher) | 出版年 (Date) | ISBN/ISSN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ジェニファー・M・ソール | 『言葉はいかに人を欺くか:嘘、ミスリード、犬笛を読み解く』 | 慶應義塾大学出版会 | 2021 | 9784766427455 |
| 2 | 藤川直也 | 『誤解を招いたとしたら申し訳ない 政治の言葉/言葉の政治』 | 講談社 | 2025 | 9784065386439 |
| 3 | 和泉悠 | 『悪い言語哲学入門』 | 筑摩書房 | 2022 | 9784480074553 |
| 4 | 木下 頌子ほか編訳 | 『分析フェミニズム基本論文集』 | 慶應義塾大学出版会 | 2022 | 9784766428551 |
| 5 | 三木那由多 | 『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』 | 光文社 | 2022 | 9784334046224 |
緻密な議論を理解し、自身で再構成する能力を必要とする。あらかじめ言語哲学の専門的知識を持っている必要はない。
PCやタブレットなど、文章作成に適したデバイス
・この科目は「悪い」言葉を取り扱う性質のものであるため、多くの回において、差別的・攻撃的な言葉が出てきます。学修する場の安全性を確保するため、どのタイミングで、どのような言葉が出てくるかについて、できる限り注意喚起を行います。
・教員は、授業内でのアウティングおよびミスジェンダリング防止に努めます。また、履修者にも同様の配慮を求めます。
・私語等で授業妨害を行った者には、退出を命ずることがあります。また、授業とは全く関係のない行為(ゲームをやる、アニメを鑑賞する、化粧をするなど)によって教室内の学修意欲を低下させた場合にも、同様の措置をとります。
多彩な学び科目